乱読家の○棚

私の○棚の中身を紹介するブログ。 ○の中は本が多め。時々酒だったりするかも。

五佰年BOX

最初このタイトルなんて読むのか分からんかったわ!

「いほとせボックス」って読むんですね、多分この漫画以外で目にする機会はもう無いと思います。

雑に解説すると、過去の世界が見える+触れる箱をたまたま手に入れてしまった主人公の叶多は箱の中で(過去の世界で)賊に襲われる少女を見つけて思わず箱に手を入れて助けてしまう。

少女を襲おうとしていた賊を手で吹き飛ばし、殺してしまったことに動揺するが、すぐにそれどころではなくなってしまう。

過去に殺されるはずだった少女を助けたことで、タイムパラドックスが起こってしまい、12年間片思いを続けていた真奈が消えてしまったのだ。

真奈は姿消したどころか、真奈の親にさえ忘れ去られており、完全に真奈という存在が歴史から消え去ってしまう。

どうにかして真奈の存在を取り戻そうとする叶多だが、箱の中の時代が戦国時代頃であること程度しか分からず、それどころか「真奈がいない歴史」の記憶が自分の中に存在することに気づいて混乱が深まっていく。

真奈の代わりに現れた真樹や箱の中の少女への想いも重なり、単純に歴史を弄ることへの迷いも心に生まれてくる。

と簡単なあらすじはこんな感じですが、ぶっちゃけ過去にタイムスリップする話や過去の偉人が現代にタイムスリップしてくる話は山ほどあるけど、箱の中という非常に小さな世界限定で過去に干渉できる話は珍しいような気がする。

というか、唯一叶多の存在を認識している戦国時代の少女が叶多のこと、もっと言えば箱の中を覗きこむ眼と箱に入れられた手を「天の目さま」と呼んで神様扱いするのは分かるけど、少女の家族含めた周囲が「なに言ってんだお前」状態なのが地味にツボに嵌まった。

正直こういうタイムパラドックス物って、物語の途中は楽しくても結末に納得がいかないものが多いから、作者の人には頑張って欲しいと思う。